弾力日記

ぶにょぶにょした日々

10/24

職場のトイレの個室より、愛をこめて。

つらいなぁと見上げたトイレの電球の眩しさはとても辛辣で、くたびれた俺を容赦なく急かしてくる。もうなにも残っていない体内からひねり出した言葉は腐臭を伴っており周囲の人々を不快な気持ちにさせてゆく。そんな俺の悩ましい苦しい現状を吐露すれば同情の言葉を投げ掛けてくれる人が居ないわけではない。しかし同情を得るために自分語りをするための熱すらももはやなくなってしまっているのだ。

トイレはくさい。とてもくさい。俺にはお似合いの場所だろうけれど、似合いたくて似合っているわけではない。こんなところで立ちすくんでいたくない。でも出たくもない。ずっとひとりぼっちで過ごしていたい。会話したくない。包丁を首筋に当てたときのつめたさと、当てられた皮膚のざわめきの心地悪さだけを頼りに生きている俺はもうギリギリなのかもしれない。

俺がそんな気持ちで生きていることには神様しか気がついていない。なぁ神様俺がこの最下層から引き上げられてまともに生きられるというのならそれは奇跡だろうけれど。その奇跡が見たいんだ。アンタ得意だろう、奇跡を起こすのは。起こしてくれよ。助けてくれよ。俺が信じたアンタはもっと優しいはずだろう。お願いだよ、俺に気がついているのはもはやアンタだけなのだから。

扉を空けて手を洗えばまた次の苦難が俺の邪魔をしにやってくる。どうかやり過ごせますように。どうかどうか、何も起こりませんように。そんな救いのない願いくらいは聞き入れてくれてもいいのでは、神様。

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noteに文章を書いて載せています。

もし良ければ見てください。

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